DROP2 (2)

さてvoice leadingの基本(あくまでも)ですが、

(1)common tone(共通音)が同じ声部にある場合は出来るだけキープして、
(2)キープできない声部は半音または全音の動きで次のchordのchord toneにつなぐ

となります。 *(—) = common tone

drop2_common

 

実際の曲の中で頻繁に登場するⅡ – Ⅴ – Ⅰ、Ⅱ – Ⅴ – Ⅰ -Ⅵなどのcadenceを用いて、common toneに注意しながらvoice leadingを練習します。各Inversionを「使える」ように習得するためには、実際に曲の中で出てくるコード進行の流れの中で覚えていくことが重要です。

 

key=BbのⅡ – Ⅴ – Ⅰの場合、

(1) Ⅱ-7であるCmin7のRoot Inversionから次のF7に移るときに、同じ声部にcommon toneのあるInversion(この場合bottomとtopが共通のF7 2nd Inv.)に移る。F7からBbmaj7も同様に。

(2) 以降、Cmin7の1st  Inv.、2nd  Inv.、3rd  Inv.それぞれからスタートして同じ要領でvoice leadingする。

drop2_251

 

例えばⅡ – Ⅴ – Ⅰ – Ⅴ/Ⅱ の進行をこの要領でvoice leadingしていくと、すべての転回形が現れ、滑らかに進行していくことが分かります。これがcommon toneをキープしながらそれ以外の声部は半音または全音移動する、というvoice leadingの基本形になります。

drop2_1625

 

(つづく)

 

DROP2 (1)

この『TIPS』ではハーモニーのちょっとしたアイデアをご紹介して行きます。まず最初にギタリストにはおなじみのDrop2の効果的かつ実用的な練習方法を。

 

Drop2 voicingとは、Closed voicingのtopから2番目の音を1 octave下げたもの。

ちなみにClosed voicing (bottom voiceとtop voiceの音程が1 octave以内)に対して、Drop2はOpen voicing (bottom voiceとtop voiceの音程が1 octave以上)に分類されます。

Closed voicingの各Inversion(転回形)にdropを施すことにより、drop voicingの各Inversionが出来上がります。

『Cmaj7』の場合はこんな感じ。

20161001_1

 

出来上がったInversionをRoot on bass(Root Inversion)、3rd on bass(1st Inversion)、5th on bass(2nd Inversion)、7th on bass(3rd Inversion)に並べ直すとこんな感じ。

20161001_2

 

おなじみのDrop2が出来上がりました。

しかし各Inversionを教則本などで憶えていても、実際にどういう場面でどういった風に使い分けて行くのかよく分からない、という方が多いのではないでしょうか。

次回からDrop2の各Inversionを用いたvoice leading (声部連結)の練習方法をご紹介して行きたいと思います。使用するのはmajor7、dom7、minor7、minor7(b5)の4種類。

drop2_4quality

 

(つづく)